塗り壁の種類・特性
内装材仕上げにおいて代表的な壁紙・クロス(ビニールクロス)は施工の早さや金額の安さなど量産品として普及してきました。
しかし、現在はその健康危害や自然素材への関心の高さから日本古来から使用されてきた、呼吸をする塗り壁(土壁)などの内装仕上げ材が注目を浴びています。
高温多湿な日本において、高気密・高断熱の住宅には、特に湿度(湿気)の調整が必要です。
ビニールクロスでは、高気密な空間の内側を更にラッピングしているイメージです。
発生した湿気の逃げ道がなく、外気との温度差が発生する壁やガラスに結露・水滴となって付着します。これが、カビなどの問題へと繋がります。
サッシの結露問題も、塗り壁などの湿度調整効果で解消されます。
塗り壁の種類
珪藻土
写真:珪藻土
珪藻つまり藻が堆積して化石化した物質。
その防火性などから七輪にも使用され、珪藻の殻には小孔が多数開いている特性から広く濾過助材としても使用されています。
水分や油分を大量に保持することができるため、土壌改良にも使用され、断熱性や耐火性による保温材として建材に使われます。
また、湿度の吸放出の特性から、調湿機能が最も高い建材として着目されています。
漆喰
写真:漆喰
石灰(水酸化カルシウム)を主成分として防水性も高く、古くから塗り壁として使用されてきました。
石灰の特徴であるアルカリ性の防カビ機能は、現代建築においても注目を浴びています。
一説では、化学物質過敏症の原因の主たるものとされる、ホルムアルデヒドの吸着分解機能があるとも言われています。
ゼオライト内装塗り壁材(AZwall)
写真:ゼオライト
ゼオライトとは、多孔質の天然硬質鉱石で、主成分は胃薬にもよく使われるアミノ酸珪酸塩です。
AZwallは、北海道仁木町産の強力な吸着力を持つゼオライトを95%使用した塗り壁材です。
特にアンモニア、メチルメルカプタン(腐ったキャベツの臭い)、硫化水素などの吸着力は抜群で、ホルムアルデヒドなどVOCの吸着力も確認されています。
塗り壁(珪藻土・漆喰・ゼオライト)の特性
湿度の調整(調湿性能)
塗り壁の多くは、湿度の高い場所において湿気を吸収したり、湿度の低い場所において湿気を排出をするといった、湿度を一定にする性能があります。
素材の種類によって、その効果に差はありますが湿度の調整による効果はお部屋の冷暖房効率を上げ、熱効率を高めます。
夏、湿度の低い場所は涼しく、湿度の高い場所は暑く感じるのは湿度のよる体感の違いにあります。
化学物質の吸着
塗り壁など自然素材には、住空間における化学物質(揮発性物質など)の吸着・分解作用があるものが多く存在します。
現代において、化学物質の存在は無にすることは出来ません。
少しでも、自然素材による化学物質の危害軽減を目指しましょう。
断熱・防火
塗り壁(土壁など)には断熱効果があります。
洞窟が夏は涼しく、冬に暖かいのは土の断熱効果によるものです。
珪藻土は七輪の素材としても使用されています。
これは、外への熱の伝導率を低くし、防火性能が高い故です。
脱臭効果
臭いの原因は水溶性の分子に付着している物質によるものです。
水分を吸収する塗り壁は、臭いの原因を吸収します。
トイレなどの臭いの気になる空間には、より効果的です。
メンテナンス
塗り壁も壁紙と同様、内装仕上げ材です。
ガビョウも打てます(壁の下地状況で耐荷重性などは変わります。これは壁紙も同様です)。
補修は簡単、一部の小さなキズなどは同じ素材(材料)にて補修が可能です。
ビニールクロスのような経年による、くすみ・黒ずみ(特にTV裏の壁など)の多くは静電気によるものです。
電気を通さない土(塗り壁)は、以上のような現象(くすみ・黒ずみ)が軽減されます。
耐久年数はビニールクロスの数倍にもなります。
多少のクラック(ひび割れ)は起こりますが、入り隅といったお部屋の角に沿って、ひび割れが生じる場合があります。
これは建物が地震や、立地条件により生じる振動などで動く現象によるものなので、塗り壁の施工不良や異常現象ではありません。
湘南リフォームの提案する自然素材リフォームは、珪藻土・漆喰など、お客様のご要望に応じて厳選した自然素材で行います。