CASE38:もとは2LDKのマンションに2つの子ども部屋が出現!
今回ご依頼いただいたのは、Tさんご一家。ご夫婦と男の子兄弟2人の4人家族です。お子さんの
成長にともなって、兄弟それぞれに個室を作りたいとのこと。あわせて、内装をがらりと一新することや、閉鎖
的だったキッチンのリノベーションなどを希望されました。
もとの和室はリビングとつながっていたこともあり、エアコンが付いていなかったのですが、個室にするにあた
って設置することに。ただし、小さなお部屋にそれぞれエアコンを付けてしまうと、冷暖房効率が悪く、室外機
も2台となってベランダが狭くなってしまいます。
そこで、2つの部屋を完全に仕切らず、仕切りの上部を部分的に空けて、2部屋の真ん中にエアコンを設置。設
置にあたって、どの程度上部を空ければ冷暖房に支障がないか、エアコン専門業者にも相談しました。
室内窓で解放感を演出
もともと窓のない部屋であったため、下のお子さんのお部屋はリビングとつながる壁に、上のお子さんのお部屋
は廊下に面したドアの上に室内窓を設けました。こうすることで、プライベートは保ちつつも、リビングからの
自然光をゆるやかに取り入れることができます。
もっと料理を楽しめるオープンキッチンに
リノベーション前は小さなカウンターつきの独立したキッチンでした。暗く閉鎖的で、狭いのがお悩みとのこと。料理人であるご主人からは食洗機と3口のガスコンロのリクエストもいただきました。
そこで、壁を取り払い、リビングと一体化するオープンキッチンをご提案。以前よりリビングにキッチンが食い込んだ形ですが、カウンターとダイニングテーブルが一続きになり、リビングが狭くなった印象はありません。むしろ小部屋で仕切られていない分、視線の通りがよく、広く感じられます。
パントリーを追加して、すっきり使いやすく
以前はキッチンキャビネットや冷蔵庫に圧迫されて、コンロ前、シンク前が狭くなっていました。今回、冷蔵庫や食品ストックはあらたに設けたパントリーに収めてすっきり! じつは、このパントリーの床を一段上げて排水管を通すことで、シンクの位置を大胆に変えることができました。
パントリーには廊下側にもキッチン側にも扉をつけず、回遊性があるため、お買い物後の食材の整理も、料理中の食材の出し入れもストレスなくできます。風通しもよくなりました。
また、梁を避けるために位置が低くなった吊戸棚は、上に照明をつけることで明るさと解放感を同時に叶えています。
築26年がまるで新築! 内装一新の効果
趣味はインテリアという奥様。もともとDIYでおしゃれに暮らしていらっしゃいましたが、今回はプロの手も借りてイメージを一新したいとのこと。
たとえば、リビングのテレビの背面と、キッチンの周りの壁には奥様セレクトのグレー系のアクセントクロスを。
カーテンレールや室内物干し、ライティングレール、室内窓の窓枠などをブラックで統一してクールなイメージにしています。ちなみに、室内物干しはTさんにご用意いただいたものをこちらで取り付けいたしました。
小さな工夫としては、キッチンの壁が配管を通すために厚くなっていることを逆手に取り、ニッチをつけて、インターフォンやスイッチを収め、ちょっとした飾り棚にし。
また、廊下、リビング、子ども部屋はすべて無垢のフローリングにしています。
お値段以上の見た目になる塩ビタイル
寝室の床は塩ビタイルを採用。カーペットのように敷くクッションフロアとは異なり、塩ビ素材のタイルを一枚一枚張り合わせるので、より高級感のある仕上がりになります。クッションフロアより硬く、家具の傷あとが付きにくいのも特長です。色柄も種類豊富で、今回は明るい木肌のものをヘリンボーンのように敷きました。
梁の下にはコミックサイズぴったりの棚も設置。また、もともとはウインドエアコンだったものを、今回二重サッシに付け替えるのに合わせて、配管を新設し、エアコンを新しくしました。ここだけでなく、外に面した窓は全て二重サッシにして断熱性を高めています。
また、玄関のイメージもがらりと変わりました。右が以前の玄関。靴箱や廊下がダークトーンなのもあって暗い印象です。それを、靴箱をオープン棚に変え、タイルや廊下の床を変えたことで一新。間取りは変わっていないのに広々と見えますね。
このように、予算やもともとの柱などで工事に制約がある場合でも、工夫しだいで大きくイメージを変えることができます。「この条件じゃきっと無理だ……」とあきらめる前に、まずは気軽にご相談いただければと思います。
工事前写真
事例DATA
- 所在地:東京都府中市
- 建物の種類:マンション
- 築年数:築26年
- 施工期間:1.5ヶ月
- 施工面積:65㎡
- 費用:600万円