CASE39:受け継いだ想いを、これからの暮らしへ

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ご夫婦と高校生のお子さまが暮らすO様邸は、ご親族が長年住まわれていたマンションを受け継いだことをきっかけに始まったリノベーションです。
ただ新しくつくり替えるのではなく、住まいに刻まれた思い出や、代々大切にされてきたものを受け継ぎながら、自分たちらしい暮らしを育んでいきたい。そんな想いを大切にしながら計画を進めました。

もともとは3LDKだった間取りを、ご家族の現在の暮らし方に合わせて2LDKへと再構成。
限られた空間の中でも、日々の動きがスムーズになるよう、回遊動線となるキッチンを計画しました。
家事をしながらでも自然と家の中を行き来できる、機能的で心地よい住まいを目指しています。

ご主人は以前から天然素材がお好きで、住まいづくりにおいても「できるだけ自然な素材を使いたい」というご希望をお持ちでした。
その想いを受け、壁には100%自然由来のぬりかべ材を採用し、左官職人による手仕事の風合いを感じられる仕上がりに。

床にはやわらかな足触りが特徴のヒノキの無垢材を選びました。素足で歩いたときの温もりや香りまで楽しめる、自然素材ならではの心地よさに包まれた空間です。

また、マンション特有の断熱性能を改善するため、全ての窓に内窓を設置。快適性を高めながら、四季を通して過ごしやすい住環境を整えました。

今回のリノベーションでは、「新しいものを取り入れること」以上に、「これまで大切にしてきたものを活かすこと」が大きなテーマのひとつでした。特に印象的だったのは、叔父様が使われていた鏡を洗面台に取り入れたいというご要望です。ご家族の中で長く受け継がれてきた鏡を新しい住まいでも活躍させたいという想いから、洗面台は造作で製作することになりました。

鏡のサイズやバランスに合わせて寸法を調整し、レトロな風合いのタイルを組み合わせることで、どこか懐かしさを感じる洗面スペースが完成。新しい空間でありながら、昔からそこにあったような自然な佇ま
いを実現しています。

また、ご夫妻はデザインだけでなく機能性も重視されていました。
トイレはもう少しゆとりのある空間にしたいというご要望から、壁の位置を調整して広さを確保。さらに、お気に入りのアートや写真を飾れるよう、ピクチャーレールも設置しました。
季節ごとに飾るものを変えたり、家族の思い出を飾ったりと、暮らしの中に楽しみが生まれる工夫です。

この住まいの大きな見どころでもあるキッチンまわりの回遊動線は少しでも動線を確保するため、既存の給湯器をテラス側へ移設。
細かな調整を積み重ねることで、家事のしやすい回遊プランを実現しています。

躯体の構造上、大幅な間取り変更が難しい条件でした。
しかし、その制約の中で何ができるかを丁寧に考え、天然素材の魅力や動線計画、収納計画などを積み重ねることで、ご家族らしい住まいへと生まれ変わりました。

打ち合わせの中でも、ご家族は常に明確なイメージを持たれており、ご連絡やご判断もとてもスムーズでした。細かな確認事項にも丁寧に対応していただけたことで、計画から完成まで安心して進めることができました。
完成後に特に印象に残っているのは、お母様が受け継がれた家具や鏡が新しい住まいの中で再び活躍している様子をご覧になり、とても喜ばれていたことです。


住まいは新しくなっても、そこにある思い出や家族の歴史はそのまま受け継がれていく。ヒノキの香りや塗り壁のやさしい質感に包まれながら、ご家族の新しい時間がゆっくりと積み重なっていく住まいになりました。

工事前写真

現況平面図

プラン平面図

事例DATA

  • 所在地:東京都品川区
  • 建物の種類:マンション
  • 築年数:築47年
  • 施工期間:2.5ヶ月
  • 施工面積:81.58㎡
  • 費用:1300万円